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大切な人の名前を呼びたくなる絵本『なまえのないねこ』ネタバレあらすじ&感想

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『なまえのないねこ』のあらすじや感想が知りたいなぁ

悩んでいる人(飼い主)

『なまえのないねこ』の魅力を教えてほしい!

悩んでいる人(飼い主)

こんなお悩みを解決します。

この記事で分かること

  • 『なまえのないねこ』あらすじ
  • 『なまえのないねこ』感想
  • 『なまえのないねこ』読み聞かせポイント
おみそ

どうも、おみそ(@kuminasu_omiso)です。大人になってから100冊以上の絵本を読んできた、当ブログ「くもゐなす茶房」の看板猫です♪

くもゐなす茶房のマスター・飼い主です。おみそに本のことを学んでいます!

飼い主

絵があまりに素敵で本屋さんで思わず「ジャケ買い」

それが、『なまえのないねこ』との出会いでした。

それから約2年経っても色あせることなく、宝物のように輝き続ける絵本です。

それはきっと、『なまえのないねこ』絵が素敵なうえに、物語も素敵だからでしょう。

本記事では、2019年MOE絵本屋さん大賞1位を獲得した『なまえのないねこ』のネタバレあらすじと感想をお届けします。

お子さん読み聞かせに、大人が猫と物語にほっこりするのに、ぴったりの絵本です♪

おみそ

絵本の世界をいっしょに旅しましょう♪

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絵本『なまえのないねこ』作品について

『なまえのないねこ』の作品紹介をイメージして、猫の画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 作品について

絵本『なまえのないねこ』について

作者文:竹下文子(たけした・ふみこ)絵:町田尚子(まちだ・なおこ)
ジャンル大人の絵本
テーマ本当に欲しかったもの
名前の意味
心温まる
出版年2019年
出版社小峰書店
対象年齢3歳~大人まで
『なまえのないねこ』作品内容

絵本アワード4冠を達成し話題になった『なまえのないねこ』

竹下文子さんの大人も考えさせられるストーリーに、町田尚子さんの人の心を動かす絵、そして何より、お二人の猫への深い愛情が込められた一生ものの絵本です。

『なまえのないねこ』特設ページ

こんな人におすすめ

  • 猫好き・猫を飼っている人
  • 名前を付ける意味について考えたい人
  • 3歳から小学生のお子さんがいるママ・パパ
  • 大切な人に絵本をプレゼンしたい人

絵本『なまえのないねこ』作者紹介

生粋の"猫好き"である作者お二人の簡単なプロフィールを紹介します。

文:竹下文子(たけした・ふみこ)

1957年福岡生まれの児童文学作家。

東京学芸大学教育学部を卒業し、1979年には『星とトランペット』で第17回野間児童文芸推奨作品賞を受賞。

作品は「黒ねこサンゴロウ」シリーズ、『旅するウサギ』など多数。

飼い猫歴は驚異の35年!

絵:町田尚子(まちだ・なおこ)

1968年東京生まれの絵本作家。

武蔵野美術大学短期大学部を卒業。

自身の愛猫・白木をモデルにした作品『ネコヅメのよる』、2020年には『ねこはるすばん』などを発表している。

町田尚子さんのホームページ

絵本『なまえのないねこ』ネタバレあらすじ

『なまえのないねこ』のあらすじを紹介しているとわかるよう、『なまえのないねこ』のワンシーンに似た猫の画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 ネタバレあらすじ

『なまえのないねこ』のあらすじ文章のみで解説しています。

テーマ解説をするため、物語の結末までのネタバレをしています。

が、あらすじに画像は一切使用せず、文章のみで想像を膨らませることができるよう工夫しています。

おみそ

絵本を読むのがより楽しみになると思いますよ♪

実際に絵本を手に取ってよさを味わっていただきたいので、絵は一切掲載しません。原文もなるべく使わずに紹介しています。ご了承ください。

絵本『なまえのないねこ』の内容は?:ネタバレあらすじ

これは、ひとりぼっちの野良猫が「名前探し」と通して、本当にほしかったものを見つけるまでの物語

ぼくは ねこ。 なまえのない ねこ。

だれにも なまえを つけてもらったことが ない。

竹下文子・町田尚子『なまえのないねこ』

キジトラ模様に黄緑色の綺麗な瞳をした野良猫がいました。

彼には名前がありません。野良猫だからです。

ねこはいつでもただの「ねこ」でした。

街の猫たちは、みんな名前を持っていました。

ただの「ねこ」は、街の猫たちを見て回ることにしました...

*********

靴屋の"レオ"

「ライオン」という意味のあるその名前を今日も自慢している。

本屋の"げんた"

お客さんをもてなす看板猫。たくさんなでてもらっていて、いつも人気もの。

八百屋の"チビ"

野菜の箱の中が体でいっぱいになるほど大きな猫。昔はちっちゃかったんだって。

街にはまだまだ"名前のある猫"がいる。

喫茶店の"ミミちゃん"

おばさんはそう呼ぶけど、おじさんは「しろまる」って呼ぶ。

二つも名前があるんだ。いいなぁ。

お寺の"じゅげむ"

長生きする名前。

右目は水色で左目は黄色をしている"じゅげむ"にぼくは聞いてみた。

「いいな。ぼくも なまえ ほしいな」

「じぶんで つければ いいじゃない。じぶんの すきな なまえをさ。」

なるほど。

ぼくは街を歩いて、「すきななまえ」を探すことにした。

それでもなかなか見つからない。

犬にも花にも名前があるのに。

「野良猫」

「汚い猫」

「変な猫」

「こら!」

「しっし」

「あっちいけ」

こんなの、ぼくの、名前じゃない。

名前探しの旅をしているうちに、雨が降ってきた。

ぼくは仕方なくベンチの下で雨宿りをすることにした。

そこにやってきた、一人の女の子。

ピンクがよく似合う、傘をさした、おかっぱの女の子。

ベンチの下を覗いて、その子はぼくにこう言った。

「ねえ。おなか すいてるの?」

「きみ、きれいな メロンいろの めを しているね」

竹下文子・町田尚子『なまえのないねこ』

あぁ。そっか。

ぼくが本当にほしかったものは、名前じゃなかったんだ。

なまえを よんでくれる ひとなんだ。

竹下文子・町田尚子『なまえのないねこ』

絵本『なまえのないねこ』のテーマ解釈&名前を付ける意味を考察!

『なまえのないねこ』のテーマ解説、考察をすると分かるように本を読む少年の画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 テーマ解説・考察

『なまえのないねこ』は子供でも分かりやすいストーリーですが、最後の一文は大人でも考えさせられるものがあります。

そこで、『なまえのないねこ』のテーマをわたしなりに解釈し、"名付け"の意味について考察しています。

おみそ

いち個人の考えとしてお楽しみください♪

2種類の"名付け"

人がものに名前を付ける理由の一つに「区別する」という目的があります。

例えば種類。

花の名前であれば、マーガレット、白百合、クチナシ、ハナミズキ...

どれも白い花という点では同じですが、それそれ形の違いなどを区別するために、名前が付けられています。

これが、"「区別する」ための名付け"です。

ですが、わたしたちはまたちがった意味合いで名前を付けることがあります。

それは「固有名詞」としての名前です。

たとえばトイ・プードルはあくまで犬種ですが、「チョコ」という名前を付ければ、それはその子だけの「固有名詞」になります。

では、何のためにこのような名付けをするのでしょうか。

これも一つには、他と区別するためという目的がありますが、それなら数字で区別してもいいわけです。

でも、飼い犬に「315番」などと名付ける人はきっといませんよね。

なぜなら、"名付け"るという行為は、愛情そのものだからです。

赤ちゃんに名前を付けるときに、親の願いを込めるのは、親の子供への愛情以外の何物でもありません。

「名前って、"愛"なんだ」

これが『なまえのないねこ』のテーマだと考えています。

名前って、"愛"なんだ

なまえを よんでくれる ひとなんだ。

竹下文子・町田尚子『なまえのないねこ』

キジトラ模様のただの「ねこ」だった"ぼく"が本当に欲しかったものは、名前そのものではありませんでした。

名前を呼んでくれる人でした。

名前は、呼んでくれる人がいて初めて意味をもちます。

もしも世界にただひとりで生まれ堕ちたなら、きっと自分に名前を付けたりしないでしょう。

名前を呼んでくれる人とは、自分に愛情を注いでくれる人でもあります。

名前を付けて呼ぶという行為は、その人がこの世界にいること、ただ一人存在していることを承認する、とても素敵な愛情表現なのですね。

おみそ

おみそはねこだけど、「おみそ」という名前があります。飼い主が付けてくれました。

僕の名前は「飼い主」なんだけどね...

飼い主

名前を呼んでくれる人がいるということは、世界に自分の存在を肯定してくれる人がいるということです。

それってとても幸せなことです。

わたしは『なまえのないねこ』を読んで、大切な人の名前を積極的に呼ぼうと思うことができました。

絵本『なまえのないねこ』感想:その魅力とは?

『なまえのないねこ』の感想を書いているとイメージできるよう、猫の画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 感想

断言します。

『なまえのないねこ』は今後何十年と読み継がれる絵本になることでしょう。

子供、大人という垣根を越えて、温かさを感じることができる唯一無二の絵本ですから。

そんな『なまえのないねこ』の感想を、「➀絵」「②ストーリー」「③読み聞かせ」の3つに分けて書いています。

絵本『なまえのないねこ』は絵がすごい!

わたしは芸術に関する知識が乏しく、絵の良し悪しはよく分かりません。

それでも、その絵を見て自分がどう感じたかなら、語ることができます。

町田尚子さんが描く『なまえのないねこ』の絵は、見ていてとっても心が温まります。

わたしのお気に入りは「そうだ。わかった。ほしかったのは、なまえじゃないんだ。」と書かれたページのねこの横顔の絵。

このページがあることで、次のページの「なまえをよんでくれるひとなんだ。」が強く印象に残ります。

アングルは逆ですが、イメージとしてはこんな感じです。↓

『なまえのないねこ』のあらすじを紹介しているとわかるよう、『なまえのないねこ』のワンシーンに似た猫の画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 イメージ

絵本をお持ちの方はぜひ、実物をお楽しみください!

町田尚子さんの絵に温かみを感じる理由

と、いい感じに文章は書き終えたのですが、「どうして町田尚子さんの絵はこんなにも温かいのだろう?」という疑問が消えず、少しばかり調べて考察することにしました。

ご興味がありましたらお付き合いください。

まずは、絵の描き方について。

色々調べたのですが、なかなか見つからず...

あきらめかけていたところ、インタビューで絵の描き方についてお話されていました!

町田尚子さんは「キャンパスボードにアクリルガッシュという絵の具を用いて」絵本の絵を描いているそうです(「『ねこのるすばん』刊行記念インタビュー」より)。

一枚一枚キャンパスに絵の具で描くからこそ、『なまえのないねこ』は温かい絵本に仕上がっているのですね。

次に注目したのは、絵の"アングル"です。

『なまえのないねこ』では、同じ場面をちがう角度から描いた絵がいくつかあります。

特に「ねこの後ろ姿」から「横や前から見たねこの顔」のパターンが2回あります。

アングルが変わることで同じ場面でも見え方が変わるのです。

...と色々と書きましたが、けっきょくは町田さんの猫への深い愛情が絵を通して読み手に伝わるから、温かさを感じることができるのではないでしょうか。

という考察もへったくれもない結論になっちゃいました。

やはり人が愛情を込めて作ったものというのは、人の心に届きます。

絵本『なまえのないねこ』はお話がすごい!

『なまえのないねこ』の魅力は物語にもあります。

シンプルなのに、今までになかったストーリー。

分かりやすいのに、大人も考えされられるラスト。

テーマ解釈で書いているので詳しくは書きませんが、大人も子供も楽しめて、心温まる物語です。

おみそ

初めて読んだときには一本の映画を観たような感動がありました。

絵本『なまえのないねこ』読み聞かせポイント

1ページあたりの文章が少なめなので、一文一文ていねいに読んであげるのがおすすめです。

それそれの猫の仕草や表情が愛らしく、癒されますので、絵をよく見ながらゆっくり読むと楽しいですよ。

また、『なまえのないねこ』は”遊び心”あふれる絵本です。

実は、各ページで主人公であるキジトラ模様の猫ちゃんがひょっこり顔を出しています。

それをお子さんといっしょに探すと面白いです。

さらに、表紙の裏に描かれている猫ちゃんたちの絵。

なんと一匹一匹に名前があるんです!

絵本の中で登場している猫もいて、最後のページにはみんなの名前が書かれています。

「このねこちゃんはなんて名前なんだろうね?」とお子さんといっしょに予想するのもいいですね。

『なまえのないねこ』のレビューをチェック

まとめ:絵本『なまえのないねこ』ネタバレあらすじ&感想

『なまえのないねこ』の記事のまとめとわかるよう、アイキャッチ画像を貼りました。
『なまえのないねこ』 まとめ

竹下文子文・町田尚子絵『なまえのないねこ』のネタバレあらすじ、感想をお届けしました。

この記事のまとめです。

まとめ

  • 『なまえのないねこ』はのらねこが"本当にほしかったもの"を見つける物語
  • 名前を呼ぶことは、その人の存在を肯定すること
  • 表紙の裏のねこちゃんたちに注目!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

おみそ

それではまたお会いしましょう♪

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おみそ

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