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【完全解説】小説『カラフル』あらすじと感想&名言|彩る世界の明日から

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『カラフル』ってどんな話?

悩んでいる人(飼い主)

『カラフル』の名言や読んだ人の感想を知りたい!

悩んでいる人(飼い主)

こんなお悩みを解決します。

この記事で分かること

  • 『カラフル』あらすじ
  • 『カラフル』テーマ解説
  • 『カラフル』感想
  • 『カラフル』名言解説
おみそ

どうも、年100冊の読書を楽しんでいる、おみそ(@kuminasu_omiso)です。当ブログ「くもゐなす茶房」の看板猫です♪

くもゐなす茶房のマスター・飼い主です。おみそに本のことを学んでいます!

飼い主

もしもすべてをやり直すことができたら?

いっそ何もかも終わりにしてしまおうか...

誰もが一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。

そんな方に読んでほしい作品が、今回紹介する『カラフル』です。

本記事では、出版から20年以上たっても色あせることのない、森絵都さんの不朽の名作小説『カラフル』のあらすじ、感想を解説しています。

初めて読んだ中学2年生のときから現在までの10年以上、本作を読み続けてきたわたしが、『カラフル』の魅力や楽しみ方を全力解説しています!

あらすじや感想にくわえて、物語のテーマや名言なども解説しているので、『カラフル』の世界観を存分に楽しむことができますよ。

おみそ

それでは、本の世界をいっしょに旅しましょう

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おみそ

好きな小説のお気に入りのシーンを何度も聞いて物語を味わうことができますよ♪

おみそ

目次の気になるところをタップ(クリック)すると、すぐに読むことができますよ

作品紹介~『カラフル』の世界観~

『カラフル』の世界観をイメージした画像を貼りました。
『カラフル』の世界観

『カラフル』の簡単なあらすじ

生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真(まこと)の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる…。老若男女に読み継がれる不朽の名作。

森絵都『カラフル』裏表紙より

『カラフル』の作品内容

作者森絵都
ジャンルファンタジー×ヒューマンドラマ
テーマ自分らしさ、自殺
感動
出版年2021年
出版社飛鳥新社
ページ数259ページ(文庫版)
『カラフル』作品内容

こんな人におすすめ

  • 人生をやり直したいと思ったことがある人
  • 読みやすくて面白い小説が読みたい人
  • アイデンティティについて描かれた小説を読みたい人
おみそ

読書をめったにしない友人でも「最後まで読めて面白かった」と言っていましたよ

『カラフル』の登場人物

ここでは、あらすじをスムーズに読むことができるよう、序盤に登場する人物を中心に取り上げています。

序盤に書かれている情報のみで構成し、重要なネタバレはありませんので、ご安心ください。

ぼく(魂)

前世に大きな罪を犯したことで、輪廻のサイクルから外された魂

本来なら生まれ変わることはできないが、抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得る。

小林真(こばやし・まこと)の体を借りて「ホームステイ」をし、自分が犯した「罪」を思い出すことができれば、再び輪廻のサイクルに戻ることができる。

小林真(こばやし・まこと)

ぼくの「ホームステイ」先の少年。あることがきっかけで服薬自殺を図った中学3年生

内向的で繊細な性格で、クラスで話せる友人はいなかった。絵を描くことで自分の世界に没頭していたようだ。

プラプラ

下界でぼく(魂)をガイドする天使。瑠璃色の瞳をした美少年。はっきりと物を言う性格で、いつ現れるか分からないきまぐれなところがある。ぼく(魂)に真の家庭環境などを教える。

真の母

どこかよそよそしいが、真を思いやる様子を見せる真の母親。が、習い事で通っているフラメンコ教室の講師と不倫関係にある。

真の父

どこにでもいそうな普通のサラリーマン。明るく周りからの評判がいい。が、真が自殺を図った前日、会社の不祥事により昇進したことを喜びながら泥酔して帰宅する一面もある。

桑原ひろか

真の中学の後輩で、初恋の相手。真の絵が好きで、よく話しかけていた。おじさんと援助交際をしているところを真に目撃される。

佐野唱子(さの・しょうこ)

ぼく(魂)が「チビ女」と称する、真のクラスメイト。真のガイドブックには一切情報はなかった少女。真と同じ美術部に通い、真の変化を不審がっている。

小説『カラフル』のあらすじ

『カラフル』のあらすじを紹介すると分かる様に、カラフルな画像を貼りました。
『カラフル』 あらすじ

『カラフル』の全体像

家族にも、初恋の相手にも絶望して、生きる意味を失った少年・真。魂の"ぼく"は真の人生を生きる過程で、彼が見ようとしなかった真実に触れる。紫に見えていたものが、実は赤と青が重なったものだったように。矛盾しているけれど、そのどれもが"ほんとう"の姿であることに気が付いていき...

※くもゐなす茶房では、「面白くて、作品をより楽しめるあらすじ」を目指しています。作品へのリスペクトを込めて結末のネタバレを避けた構成になっています。ご了承ください。

再挑戦

前世で大きな罪を犯した魂・"ぼく"は、輪廻のサイクルから外され、もう二度と生き返ることができない...はずだった。

「おめでとうございます、抽選に当たりました!」

明るい口調の天使が言うには、"ぼく"は抽選に当たったラッキー・ソウル。

幸運にも、輪廻のサイクルに戻れるチャンスを与えられた。

"ぼく"は人生を再挑戦して、前世の「罪」を思い出すための修行に出ることになった。

ただし、下界に戻る"ぼく"に与えられるのは「他人の体」「他人の家族」「他人の人生」

"ぼく"ではない誰かの人生を通して、自分の「罪」を自覚しなければならない。

こうして"ぼく"の「ホームステイ」が始まった...

小林真

「真が生き返った!」

父親だろうか?家族らしきおじさんが叫んでいる。

三日前に服薬自殺をはかった中学生の少年・小林真

彼が"ぼく"のホームステイ先だった。

気遣いのできる母親、息子思いの父、無口だけど見舞いに来てくれる兄。

三者三様ではあるけれど、みな温かい家族だ。

どうして真は自ら命を絶つという選択をしたのだろうか?

"ぼく"のガイド役天使・プラプラは真の家族の"正体"を語り始めた。

「父親はああ見えて、じつは自分さえよければっていう利己的な人間だ。母親はつい最近までフラメンコ教室の講師と不倫をしていた。そういうことだよ。」

真が自殺した日は、彼にとって人生最悪の日だった。

初恋相手の桑原ひろかがおじさんとラブホテルに入る様子を見てしまい、さらにその直後には、不倫相手のフラメンコ講師とともにホテルから出てくる母親を目撃。

真にとって大きな存在である2人が、援助交際、不倫をしていた。

最悪は日というのはとことんついてないものだ。

家に帰ると、泥酔した父親が真に抱きついた。

会社の不祥事で上層部が総辞職し、真の父は平社員から一気に部長になったことに大喜び。

ともに過ごした仕事仲間を何とも思っちゃいない父。

もう真に心のよりどころはなかった。

その夜、母の睡眠薬を大量に飲み、真は自殺した。

最悪なできごと

最悪なホームステイ先にがっかりした"ぼく"

いったい前世でどんな罪を犯せばこんな散々なホームステイ先になるのか。

半ばあきらめムードの"ぼく"は他人の人生を自由気ままに生きるようになる。

髪を遊ばせ、二万八千円のスニーカーを買い、以前とはちがう真になっていた。

本当の真は、地味でさえなくて友達もいない、いじめられっ子の中学3年生

そう、受験生なのだ。

最悪なできごとというのは立て続けに起こる。

まるで真が自殺した日のように。

********

真はこの日、父親に公立を受験するように言われた。

兄の満が医大を受験するためだ。簡単に言えばお金の問題である。

最悪なホームステイ先で人生に再挑戦しているうえに、他人の家の懐事情のために公立受験に"挑戦"だなんて。

「挑戦」にへきえきしていた"ぼく"の気分は最悪だった。

公立受験をすると空返事をして部屋に戻る真の後を母親が付いてくる。

受験へのプレッシャーは真の自殺とは関係ないのでは、と考えている母は、真に自殺の原因を問いただす。

うんざりした"ぼく"はつい口を滑らせてしまった。

「じゃあ言うけどさ、フラメンコの先生は元気?」

ひざから崩れ落ちる母親をよそに、真は家を飛び出した

********

やけになった"ぼく"はひろかに会いたいと、プラプラに居場所を吐かせる。

会いにいくと、例のおじさんとホテルへ向かうひろかの姿があった。

"ぼく"はそんなひろかを止めたくて、すきを見て、ひろかの手を取って走り出した。

その先で、初めてひろかの本音を知った。

「欲しいもののためなら、体を売ってもかまわない。」

ひろかは言った。

そう言っておやじの元に戻っていくひろかを、"ぼく"は止めることができなかった。

最悪な日はとことん最悪だ。

失意のどん底の中、公園でふて寝する"ぼく"は中高生のチンピラにからまれてしまう。

財布は盗まれ、お気に入りのスニーカーもとられ、ボコボコにされる。

真はきっと、こうやって世界に絶望したんだろうな。

今の"ぼく"には、この世界が灰色に見える。

彩る世界の明日から

5日間の闘病生活を終え、ぼくは再び学校へ行くようになりました。

そこから真の生活は少しずつ変わっていきます。

早乙女くん、ひろか、唱子、父、母、満...

真が灰色だと思っていた世界はそんなに単純なものじゃなくて、青だったり赤たっだり、緑だったり黄色だったり...

この世界は"色"であふれていました。

カラフルな世界を一緒くたにして、灰色だと思い込んでしまっていた真。

"ぼく"は真にこの体を返したい。

ついにぼくは、「前世に犯した大きな過ち」を思い出すのでした―。

ー森絵都『カラフル』をもとに作成

小説『カラフル』テーマ解説

『カラフル』のテーマが連想される、画像を貼りました。
『カラフル』テーマ解説
おみそ

『カラフル』のテーマと魅力を解説します

小説『カラフル』テーマは?

『カラフル』のテーマを一言で言うと、「自分らしさ」です。

これだけだと何のことか分からないと思いますが、この言葉を聞くと物語の輪郭がみえてくると思います。

黒もあれば白もある。

赤もあれば青も黄色もある。

明るい色も暗い色も。

きれいな色もみにくい色も。

角度次第ではどんな色だって見えてくる。

森絵都『カラフル』p179

人はたくさんの色をもっていて、それらすべてがホンモノである。

"様々な色をもつ自分"を見つめて、認めてあげることで"自分らしさとは何か?"という悩みから解放される。

"自分らしさ"とは?という問いに答えるのであれば、「自分を形作るすべて」である。

これが、『カラフル』の大きなテーマのひとつだと考えています。

万華鏡のようなイメージでしょうか。

万華鏡は穴から覗くとカラフルな模様が見えますよね。さらにくるくる回すと模様が変化し、より多くの色が目に映ります。

人もまた万華鏡のように様々な模様や色があり、それは日々変化しています。

きれいな色も汚い色も、明るい色も暗い色もすべて含めて「わたし」であり「あなた」なのです。

でも残念なことに、「この人は黒、あの人は赤」と決めて分かった気になってそれ以上その人を見ようとしない人もいます。

単色でしか人を見れない人が悪いのではありません。

色々な角度から他人を自分を理解しようとするのは面倒なことです。

物語の中で"ぼく"は、父親、母親、満(兄)、ひろか、唱子といった真の周りの人たちの、見えていなかった一面を知ることで、人にはグラデーションがあることに気付いていきます。

「他人のグラデーション」を知る中で、真自身にもグラデーションがあることを、"ぼく"は実感します。

自分らしさを見つけるカギは、自分の外側にあるものじゃなくて、常に内側にある。

だから、必死に「自分探し」をして、自分のグラデーションを見ようとすることでしか、「自分(らしさ)って何?」という問いには答えられない。

「他者理解と自己理解」が極彩色の世界をカラフルに生きていくための武器なのだと、わたしは思います。

【解説】『カラフル』の魅力とは?~「面白い」と言われる理由~

『カラフル』が20年以上に渡って唯一無二の小説で在り続けるのには、3つの理由あります。

『カラフル』の魅力

  • 読みやすいのに、深いテーマ性がある
  • 思春期~青年期にかけて誰もが抱える悩みを包み込むやさしいストーリー
  • 「"ぼく"が犯した罪とは何か?」という謎

この物語が多くの人々に愛され、読まれ続ける理由の一つが、「読みやすさ」×「面白さ」×「深いテーマ性」が融合している点です。

この3つが共存している物語はなかなかありません。

現に20年にわたる歳月をかけて「実写映画→アニメ映画→Amazonプライムオリジナル映画」と三度も映画化されています。

そして、思春期から大人にかけて誰もが感じる「生きる意味」「自分らしさ」といった普遍的なテーマ

  • 「生きる意味ってなんだろう?」「自分らしさって何だろう?」という疑問
  • 家族や友達との人間関係の悩み

時代が変わっても誰もが感じる疑問を、それを感じ始める中学生でも読みやすい物語に仕上げているのが『カラフル』の魅力ではないでしょうか。

小説『カラフル』感想

『カラフル』の感想を書くと分かるように画像を貼りました。
『カラフル』感想

10代、20代で読んだときの心境の変化

わたしが『カラフル』を初めて読んだのは中学生のときです。

当時は小林真への共感が強かったです。

自分はどう生きていけばいいのか、世界をどう見ればいいのか、そんなことに思い悩んでいたからです。

大人になった今は、真の父親にも共感できるようになりました。

父だけではなく、母親、満、プラプラなど、この物語に出てくるすべての人たちに愛着をもてるようになりました。

それはわたし自身が自分の人生を通して、極彩色でまぶしすぎる世界を、この目でまっすぐ見られるようになったからです。

今の自分を認め、世界を許し、ちがいを楽しむ

たかだか数十年の人生を、どうせなら楽しんでやろうと、この10年間、カラフルという物語と自分の人生を通して、実感しました。

********

...といい感じにおわろうかとも思いましたが、実はもう一つ10代で読んだときと、20代で読んだときに感じ方が大きく変わった部分があります。

ここからは、ナイーブな内容になりますので、読みたくない方は下のボタンを押して読み飛ばしてください。

読み飛ばす

時を経て、大きく感じ方が変わったのが、真が自ら命を絶った理由です。

初めて『カラフル』を読んだとき、これに関しては真にまったく共感できませんでした

真が死を選んだ理由は、簡単に言うと初恋相手の援助交際と母親の不倫、父親への信頼の喪失です。

正直に言うと、「そんなんで自殺する?」と思いました。

ですが、わたしの人生の中で、真に共感できてしまうようなできごとがありました。

人が絶望しているときは、靴ひもがほどけてしまっただけでも生きるのをやめたくなることがあります。

まだ15歳の少年が、自分にとって大きな存在である人たちを信じることができなくなるというのは、とても苦しいことです。

彼が体験したことで「しにたい」と思うのも無理はない。

でも、小林真がひろかに言ったように「しぬのだけはやめたほうがいい」と、わたしは思います。

絶望している人の耳には届かないかもしれませんが、「いいことがいつまでも続かないように、悪いことだってそうそう続くもんじゃない」

真の父が言ったように、最高も最悪もずっと続かないことは、生きる希望になりえます。

印象的なシーン

本作で最も印象的なシーンは真とひろかが美術室で会話をするシーンです。

物語の後半ですが、結末のネタバレにはならないので紹介します。

(初見で楽しみたい!という方は読み飛ばしてください。)

********

ある日の放課後、は美術部の顧問である天野先生から呼び出されます。

顧問に会うために美術室へと向かった真でしたが、そこに天野先生の姿はなく、代わりにひろかいました

真が描き途中の絵の前に立っている彼女の手には、黒い絵の具のチューブが。

暗い表情をうかべ、真の絵を黒で塗りつぶそうとしていました

「その絵、ひろかにやる。だからひろかの好きにしていいよ」

とつぜん涙を流したひろか。

「おかしいの。ひろか、おかしいの。狂ってるの…」

「ひろか、きれいなものが好きなのに、すごい好きなのに、でもときどきこわしたくなる。ひろかの手でぐちゃぐちゃにこわさいたくなる。おかしいの、ひろか、おかしいの」

取り乱すひろかに、真は言います。

「そういうことって、あるよ。ひろかだけじゃない」

この世でもあの世でも、人間も天使もみんなへんで、ふつうなんだ。頭おかしくて、狂ってて、それがふつうなんだよ

森絵都『カラフル』p186

********

ひろかの抱える矛盾を包み込む真のセリフには、重みがあります。

それは、ぼくが「ホームステイ」を通して、真の人生を生きたことで得た実感から出た言葉だからだと思います。

「みんなおかしくて、みんなふつう」

誰かと比べて、"普通"を求める必要なんてない。

狂った部分も醜さも

優しいところも美しさも

汚い心素敵な心

ぜんぶがあなたをあなたたらしめるものなんだよ。

そう言ってもらえているようで、わたしの一番のお気に入りシーンです。

『カラフル』みんなのレビューをチェック

小説『カラフル』名言5選

『カラフル』の名言をイメージした画像を貼りました。
『カラフル』 名言

小説『カラフル』の作中に登場する名言を5つに厳選し、解説しています。

名言を選んだ基準は「登場人物の実感から出た言葉」であることです。

小説を読む前でも読後でも楽しめるよう、文春文庫のページ数を記載しています。

おみそ

『カラフル』の世界観をお楽しみいただけます♪

真のお父さんの名言:小説『カラフル』

いいことがいつまでも続かないように、悪いことだってそうそう続くもんじゃない

森絵都『カラフル』p168

真(まこと)のお父さんは、息子たちに心配をかけまいとして、会社での苦悩を隠していました。

父の話は生前の小林真が知っている事実とは似て非なるもだったのです。

誤解をしたままこの世を去った真に思いをはせる"ぼく"(魂)...

そんな真に対して、不運が続いた父親が言った言葉が上の名言です。

父親の真実が語られるこのシーンは物語でも重要な場面にあたります。

真のレンズで見ていた世界と真実の間にある"ズレ"に、"ぼく"(魂)が気付きはじめるきっかけになるからです。

父親が息子に本気で向き合い、自分の実感したことを照れながらも真剣に伝えているこの言葉を名言に入れないわけにはいきません!

ぼくの友達、早乙女くんの名言:小説『カラフル』

今日と明日はぜんぜんちがう。

明日っていうのは今日の続きじゃないんだ

森絵都『カラフル』p217

個人的にいちばん好きな名言です。10年ほど前に初めて読んだときからのお気に入り。

真との会話の流れで、友人の早乙女くんは小学生のときの思い出を話します。

********

誰とでも気さくに話せる早乙女くんでしたが、ひとりだけ苦手な人がいました。

ですがある日、苦手な子とまるで親友にでもなったかのように気が合うことがあったそうです。

でも次の日にはいつもの「気まずい人」に戻っていた...

********

そんな経験から早乙女くんが実感したことが「明日っていうのは今日の続きじゃない」ということ。

わたしも似たような経験をしたことがあるからでしょうか。10年前から今日までずっとこの言葉が心のどこかに在り続けています。

代わり映えのしない日々を過ごしていると毎日が同じように感じることがあります。

でも実際には、少しかもしれないけれど、わたしたちは毎日変化し続けている。

そして、もし明日自分が別人のようになってしまったとしても、そばにいてくれるであろう人が、本当に大切にすべき人なんじゃないかな、と思ったりします。

小林真の名言:小説『カラフル』

この大変な世界では、きっと誰もが同等に、傷ものなんだ。

森絵都『カラフル』p228

深さはどうであれ、人は大人になるにつれて傷が増えていくものです。

大切なものを失ったり、

信じていたものに裏切られたり…

自分の傷が自分だけのものであるように、誰かの傷はその人だけのものです。

誰もがそれぞれに傷を抱えていることが分かれば、自分にも他者にも、これまでより少しだけ、やさしくなれるように思います。

『カラフル』を象徴する名言2選

人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。

この世界があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。

どれがほんとの色だからわからなくて。

どれが自分の色だかわからなくて。

森絵都『カラフル』p187

自分の色でさえ、一生かけても分かり切ることはできないでしょう。

他人の色や世界の色であればなおさらです。

それでも、もがき苦しみながらも、自分を、他人を、世界を理解しようとすることは、人生にたくさんの彩りを与えてくれます。

すべては分からなくても、誰かと分かち合えることがあるというのは、幸せなことです。

********

せいぜい数十年の人生です。

少し長めのホームステイがまたはじまるのだと気軽に考えればいい

森絵都『カラフル』p244

責任感がある人ほど、人生をまじめに、重くとらえてしまうことがあります。

それは決して悪いことではありませんし、むしろその人の素敵なところだと思います。

でもその「勤勉さ」がときに自分自身を苦しめてしまう

ほんものの真ではない"ぼく"が真の人生を気軽に生きていたみたいに。

そんなときは「人生は少し長めのホームステイ」だと、そんな程度のものだから楽しもうと、考えてみると人生が少しカラフルにみえてくるかもしれませんね。

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まとめ:映画「HOMESTAY」原作小説『カラフル』あらすじと感想、名言解説

『カラフル』の記事のまとめだと分かるように、アイキャッチ画像を貼りました。
『カラフル』 まとめ

森絵都さんの不朽の名作『カラフル』のあらすじや感想、名言について解説しました。

この記事のまとめです。

まとめ

  • 『カラフル』は輪廻のサイクルから外された魂が他人の体に「ホームステイ」して前世の罪を思い出す再挑戦の物語
  • 読む年齢によって感じ方が変わる、老若男女に読んでほしい小説
  • 『カラフル』の登場人物の実感から出た名言がたくさん

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

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おみそ

それではまたお会いしましょう♪

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おみそ

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