星野源『いのちの車窓から』の内容な感想、名言が知りたい!
星野源って新垣結衣と結婚したけど、どんな人なの?
こんな疑問にお答えします!
この記事で分かること
- 星野源『いのちの車窓から』を読んだ人の感想
- おすすめエピソード&名言3選
- エッセイを読んで思った星野源が新垣結衣と結婚できた理由
どうも、おみそ(@kumoinasu_omiso)です。わたしは年100冊の読書を楽しむ、当ブログ「くもゐなす茶房」の看板猫
くもゐなす茶房のマスター・飼い主です。
2009年の星野源さんは「ひとり」である孤独を強く感じていました。
私はずっとひとりだった。
「うわーひとりじゃなかった」と思う日が、来たりするのだろうか。
星野源『そして生活はつづく』「ひとりはつづく」より
たとえばいつか結婚したり、子供ができたりしたら「自分は一人ではない」と感じられる日がくるかもしれない。
いつかくるかもしれないし、死ぬまでこないかもしれないその日まで、私はいつものようにひとりきりでいるだろう。
星野源『そして生活はつづく』「ひとりはつづく」より
約10年後、星野さんは「ひとりではないということ」というエッセイを発表。
2021年、新垣結衣さんと結婚をしました。
本記事では、星野源さんが「ひとりではない」と感じられるようになるまでの過程や結婚する前の新垣結衣さんの印象などが綴られたエッセイ『いのちの車窓から』の感想やエピソードを紹介しています。
本記事を読むと、星野源さんの価値観の変化や新垣結衣さんへの思いが分かりますよ。
いっしょに本の世界を旅しましょう
【2022.1.22追記】
『いのちの車窓から』の文庫本が発売になりました!
レビューはこちらで確認できます。
星野源のエッセイ『いのちの車窓』とは?
『いのちの車窓から』は雑誌『ダ・ヴィンチ』にて連載されている星野源さんのエッセイです。
基本情報
- 題名:『いのちの車窓から』
- 作者:星野源
- イラスト:すしお
- 連載雑誌:『ダ・ヴィンチ』
- 出版社 : KADOKAWA
- 発売日 : 2017年3月30日
- ページ数 : 197ページ
現在(2021年12月27日時点)は3か月に1回のペースで『ダ・ヴィンチ』にて連載されています。
2020年には、同じく星野源さんのエッセイ『よみがえる変態』とともに電子書籍版も発売されました。
星野源さんはアーティスト、俳優、文筆家、ラジオパーソナリティなど様々な活動をされていますね。
ここでは作家「星野源」についてまとめました。
「作家」星野源
主な著書は、エッセイ・対談集。
『そして生活はつづく』、『働く男』、『よみがえる変態』、『いのちの車窓から』の単著を始め、『星野源 対談集1』などの共著も発表している。
雑誌『ダ・ヴィンチ』にてエッセイ「いのちの車窓から」を連載中。他にも雑誌連載経験多数。
『いのちの車窓から』感想:星野源がガッキーと結婚できた理由
全体としては、とても温かいエッセイでした。
読み終わってまず思い浮かんだのは、星野源さんは人間的に魅力的でかつ人間味あふれる方なんだろうなという感想です。
なんとも心温まるエピソード
時折くすっと笑みがこぼれるお話
エピソードを紹介しながら、感想を書いています。
星野源が新垣結衣と結婚できた理由を考察:『新垣結衣という人』
星野源さんは『いのちの車窓から』の中で「新垣結衣という人」というタイトルのエッセイを書いています。
エッセイでは『逃げるは恥だが役に立つ』で共演する中で、新垣結衣さんに抱いた印象が綴られています。
星野さんは、「結衣ちゃん」の演技を目の前にして、「感情豊かな人」「繊細で周りをよく見ている敏感な人」という印象を持ちます。
ただ撮影の合間は少しちがう印象のようで、このように書かれていました。
ニュートラルな状態でただそこにいる。
本当に普通の女の子だ。
星野源『いのちの車窓から』「新垣結衣という人」より
「好きでもない人を愛したり、嫌いでもない人を傷付けたり...」
そんな俳優という職業を、芸能界という特殊な場所で10年以上続けている新垣結衣さんにはいろんなことがあっただろうと、話を続けます。
そんな中で彼女は、仕事場での誠実さを見つけ、さらには並大抵の俳優がたどり着くことができない、「普通」というものを自分の力で手に入れたのだ。
星野源『いのちの車窓から』「新垣結衣という人」より
源さんの言う「普通」は新垣結衣さんへの最上の褒め言葉だったのです。
そしてこの後の言葉が、星野源さんが新垣結衣さんと結婚できた理由のひとつであるように思います。
僕は人を褒めるのが好きだ。
人の素敵なところを見つけると、嘘は一つもなしで、あなたはここがすごいと伝えたくなってしまう。
星野源『いのちの車窓から』「新垣結衣という人」より
自分も褒めてほしいから褒めるのではなく、心からそう思い、それを言葉で伝えることができる。
そこが、星野源さんが多くの人を魅了し、新垣結衣さんと結婚できた理由の一つではないのでしょうか。
心温まるエッセイ
ドラマ撮影、紅白歌合戦、ライブ、新垣結衣、大泉洋、作曲、子ども時代、病気療養中の話など。
様々なエピソードが収録されているエッセイ『いのちの車窓から』
くすっと笑える話や考えされられる話もありましたが、全体としては心温まるエッセイだったという感想です。
特に心が温まったのは、「人間」と「恋」という話を読んだときです。
今回は『いのちの車窓からに』に収録されている「人間」の感想を書きます。
人間
印象に残ったのは、笑福亭鶴瓶さんの言葉です。
「人間は死んだら終わりなんや」
鶴瓶さんはそうつぶやきました。
それから2年後、鶴瓶さんは全く反対のことを言います。
「残された者が、その人を語り、バトンを繋いでいきますから。だから、人間は死んでも終わりじゃない。」
この2年間、笑福亭鶴瓶さんの中でどんな思いや葛藤があったのでしょうか。
「星野源」というレンズを通して、私も鶴瓶さんの言葉と言葉のすき間に思いに耽ってしまいました。
人間は矛盾した生き物です。
そう思えれば、このエピソードに心を温めてもらうことができます。
私はこのお話を読んで、アニメ映画『リメンバー・ミー』を思い出しました。
生き物は生きている誰かが覚えていてくれる限り、"終わり"じゃない。
だから私も、失った大切な人たちのことを、自分が終わりを迎えるまで覚えていよう。
そう心に決めました。
おすすめエピソード&名言3選:『いのちの車窓から』
全30編の中から、厳選した3つのエピソードを名言とともに紹介します。
紹介するエピソードはこちらです。
- 人見知り
- 夜明け
- ひとりではないということ
それでは、いきましょう♪
人見知り
このエピソードのテーマは「笑顔と人見知り」です。
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星野源さんは、『コウノドリ』というドラマで笑顔をなくしてしまった役をしていて気付いたことあったそうです。
普段自分は、どれだけ笑っていたか。
周りの人が、いかにいつも微笑んでいるか。
そして、笑顔ができなくなってしまった人の孤独を憂います。
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何かを失って初めて、"当たり前"がいかにありがたいことであったのかを知る。
大切にしているつもりでも、それをなくしてから、本当の大切さに気付くこともあります。
当たり前のことを当たり前に大切にするって難しいよね
また、源さんは「いつから人見知りしなくなったのだろう?」と思いを馳せます。
数年前から、人見知りだと思うことをやめた。心の扉は、常に鍵を開けておくようにした。
好きな人には好きだと伝えるようにした。ウザがられても、嫌われても、その人のことが好きなら、そう思うことをやめないようにした。
僕は人が、人と接することが大好きだったのだ。
星野源『いのちの車窓から』「人見知り」p100
名言ですね。心に沁みます
わたしも人見知りでした。
誰かの素敵なところを見つけても、
「だから何?」
「気持ち悪い」
そんな風に言われたらどうしよう。
嫌われたくない!
自分がそう思っていることすら気付いていませんでした。
与えられることをただ待つだけ。
好かれたいのに自分からは好きという気持ちを伝えないのは虫が良すぎますよね。
『嫌われる勇気』では「課題の分離」という考え方があります。
ここで言うと、自分が「好き」と思うことは自分の課題です。
自分の気持ちは、自分でコントロールできる範囲のことだからです。
では、他人の気持ちはどうでしょうか。
他人が自分のことを好むか嫌うかは他人が決めること、つまり「他者の課題」になります。
自分がコントロールできないことをあれこれと考えるのは時間がもったいないですね。
変えることができるのは自分だけです。
このエピソードを読んで、自分のできることをできる限りやろうと思うことができました!
おみそも人が好き
ぼくも"人好きの人見知り"だったからとても共感したよ。人間的な魅力に惹かれるんだよなぁ。
ちなみに、星野源さんと親交のあるオードリー若林さんが『社会人大学人見知り学部卒業見込』というまさに"人見知り"についてのエッセイを出しています。
人見知りについてのエッセイをもっと読みたいという方は、こちらの記事「【感想&名言】社会人大学人見知り学部卒業見込|オードリー若林」がおすすめです。
夜明け
幼い頃からよく夜更かしをしていた。
その頃よく妄想していたのは、活発に動き、大きいステージで歌い踊る自分だ。
そいういった想像や予感というものは、合っていようが間違っていようが、現実を変え、未来を作る力になりうる。
人はどんどん妄想すればいいと思う。
現実を創る根本の大本は、想像力である。
星野源『いのちの車窓から』「夜明け」一部抜粋
おみそも妄想が好き♪もしもコタツが一年中あったらな~
「もし~だったら。」って考えるのは「現実を創る想像力」だよ。漫画やゲーム小説だってもとは「もし~だったら。」という想像力から生まれているでしょ?
イメージができるからこぞ、実現できるんだね
こういう自分でありたいというイマジネーションは未来を変える力になる。
誰になんと言われても、自分が思い描いたことに向かって進んでいけば自分で未来を切り拓いていける。
そんな風に思わせてくれる名言です。
ひとりではないということ
自分はひとりではない。しかしずっとひとりだ。
いつの間にかひとりであるということが大前提となっていて、特に意識もしなくなった。
すると、ひとりではないと思えた時の記憶だけが増えていくようになった。
星野源『いのちの車窓から』「ひとりではないということ」一部抜粋
人は自分の目でしか世界を観ることができません。
100%自分の思いを分かってもらえることはないし、100%相手の気持ちを理解してあげることはできません。
どんなに言葉を交わしても、人間は孤独です。
終わるその瞬間は誰もが一人。
だからこそ、「ひとりではないと思えた」瞬間を大切に心にしまっておきたいです。
それが、思い出になって私たちの心を満たしてくれます。
「ひとりではないということ」は、2017年の星野源さんが、2009年の彼に贈ったエッセイのように思います。
私はずっとひとりだった。
「うわーひとりじゃなかった」と思う日が、来たりするのだろうか。
星野源『そして生活はつづく』「ひとりはつづく」より
「ひとりではないということ」は、初エッセイ『そして生活はつづく』「ひとりはつづく」の"アンサーエッセイ"なのかもしれませんね。
ちなみに、星野源さんのエッセイ(単著)全4作の内容はこちらの記事「【完全版】星野源のエッセイ全4作をファンが紹介|おすすめ度&読む順番も!」で解説しています。
『いのちの車窓から』レビューをチェック
文庫版、kindle版もこちらからチェックできます
まとめ:【感想&名言】星野源『いのちの車窓から』
今回は、星野源さんのエッセイ『いのちの車窓から』の感想をお届けしました。
心温まるエピソード、人生を考えされられる話など、星野源さんの魅力が詰まった一冊でした!
今回紹介したエピソードは『いのちの車窓から』のほんの一部です。
星野源さんの文章で、心をほっこり温めたいという方は、本書を読んでみることをおすすめします。
星野源さんは他にもエッセイを出しています。
エッセイ4作品の感想やおすすめの読む順番についてはこちらの記事「星野源のエッセイ全4作をファンが紹介」で詳しく解説しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
それではまたお会いしましょう♪
おみそのつぶやき:おすすめエッセイ紹介
くもゐなす茶房では他にもたくさんのエッセイを紹介しています♪
おすすめエッセイまとめ
2年間様々なエッセイを読み続けてきたわたしが、厳選した本を紹介しています!
「面白い」「人生の本質」「疲れた心に」などテーマごとに分けて解説しています。
今のあなたの心にぴったりのエッセイが見つかりますよ
星野源さんのエッセイ
星野源さんの初エッセイ『そして生活はつづく』の感想は下の記事で書いています。
燃え殻エッセイ『すべて忘れてしまうから』
『ボクたちはみんな大人になれなかった』の作者・燃え殻さんのエッセイ『すべて忘れてしまうから』感想を書きました。
【心の点滴】『すべて忘れてしまうから』感想|燃え殻の初エッセイ
心が疲れてしまったときにやさしい言葉をかけてくれる一冊です。
若林正恭エッセイ『ナナメの夕暮れ』
星野源さんと親交のあるオードリー若林さんのエッセイはこちら。
『いのちの車窓から』が好きな人には響くと思います。
チェックしてね♪
おみそは星野源さんの「くだらないの中に」「不思議」「恋」「SUN」「化物」を聴きながらこの記事を書いたよ♪相性抜群!
おまけ:「文庫版あとがき」の感想
2022年1月21日発売の文庫本に収録された「文庫版あとがき」の感想を書いています。
とても楽しみにしていたので、発売日に読みました♪
「文庫版あとがき」のテーマは"音楽と景色"。
音楽を聴いたとき、思い出す景色について綴られています。
車窓から景色を見ているかのように、あの頃の記憶が、歌とともに甦る。
それはきっと、感情と記憶が結びついているからです。
そんな、誰しもが自分だけもっている記憶の中の"景色"があるのではないでしょうか。
星野さんにも思い出す景色がありました。
人が何かを思い出すとき、音楽に限らず何かしらの"きっかけ"があることが多いように思います。
それは物であったり、匂いであったり、場所であったり...
決して綺麗な記憶だけでなく、悲しく苦しい思い出も輝かしく幸せな思い出も。
単行本『いのちの車窓から』の出版から約4年。
星野さんにはある変化がありました。
それは、『いのちの車窓から』を読み返したときに思い出す景色のアップデートです。
脳や心に一度こびりついた景色は、二度と変えられないのではなく、新しいものに更新できるということだ。
文庫『いのちの車窓から』「文庫版あとがき」より引用
希望のある思い出も、絶望した思い出も、アップデートできる未来があるのだとしたら、これからを生きることも悪くない。
そう思わせてくれる「文庫版あとがき」でした。
星野源さんが新たに書き下ろした「文庫版あとがき」が収録された文庫本はこちらで購入できます。
文庫版では表紙が新しくなっていました。電車の席に一人座る男性の目線の先には、綺麗な空と海が広がっている絵が描かれています。
本書を最後まで読んでから、もう一度表紙を見てみてください。きっと心が温まると思いますよ。