映画『恋する寄生虫』のあらすじや観た人の感想が知りたい!
原作小説とはどんな違いがあるの?
こんな疑問にお答えします!
どうも、おみそです。
書籍レビュー中心の記事を書いている当ブログ「くもゐなす茶房」の看板猫です♪
2021年11月12日(金)より公開の映画『恋する寄生虫』を公開初日に映画館へ観に行きました!
(マスター)
『恋する寄生虫』気になってたんだよねぇ~。どうだった?
先に感想を言うと、
映像美
効果的な音響の使い方
小松奈菜さんのセリフと演技
が素晴らしかったです!
そして、
原作とは違ったラストでした!!!
今回は、映画『恋する寄生虫』のあらすじ&感想、原作との違いを紹介します。
(マスター)
どなたでも楽しめるよう「ネタバレなし」「ネタバレあり」のどちらも用意しています!
核心部のネタバレを避けたい方は、とばせるようにしてありますので、ご安心を!
(うちのおみそはできた猫だ...)
一緒に映画の世界へ潜りましょう♪
『恋する寄生虫』をより楽しめる!映画版あらすじ
映画『恋する寄生虫』の冒頭のあらすじを紹介します。
原作小説ではなく、映画版のあらすじになります。
映画を楽しむためのあらすじですので、重要な部分のネタバレしていません!
ですが、情報を入れずに映画を観たい方は、ご注意ください。
社会不適合者の二人
高坂賢吾(林遣都)
8歳の時に両親と死別。
その後、異常なほどの潔癖症になります。
頻繁に洗うので、手は荒れ放題。
外出する時は、必ず手袋とマスク。
そんなことですから、当然社会に馴染むことができません。
そんな彼の唯一の趣味は、コンピュータウイルスを作ることでした。
マルウェア(コンピュータウイルスのようなもの)をクリスマスイブまでに完成させようと、今日も設計をしています。
恋人たちが情報端末の通信機能障害を起こす。
そして、待ち合わせができなくなり、最悪のクリスマスイブに。
マルウェアを世に放つことで、自分が生きた足跡を残そうと画策していたのです。
佐薙(さなぎ)ひじり(小松奈菜)
耳にヘッドフォンをした女子高生。
彼女はいわゆる視線恐怖症でした。
他人に見られることが苦痛で仕方ないのです。
佐薙(さなぎ)は言います。
「私の頭の中には虫がいる」
そして、虫は感染する。だから私は人を拒絶するのだと。
最悪の出会い
ある日、高坂はバスに乗っていました。
そして、バスの中で乗客が周りを気にせず食事する様子を見てしまった高坂。
極度の潔癖症である彼は思わずバスを降り、その場で戻して倒れてしまったのです。
そこへ一人の高校生がやってきました。
佐薙(さなぎ)ひじりです。
祖父が病院の医院長である佐薙は、高坂を病院に連れていきます。
その後、治療を受けた高坂は病院を後にしました。
歩く高坂の後ろ姿を窓から見ていた佐薙。
「私と同じ匂いがする。絶望の匂い。」
何から何までまともではなくて、しかし、紛れもなくそれは恋だった
自宅に戻った高坂のもとに、一人の訪問者が訪れます。
名前は和泉(いずみ)。
彼は、高坂のマルウェアを脅しの道具に使い、ある指示を出します。
「ある子供の面倒を見てほしい。報酬は50万だ。」
そして次の日、高坂は指定された公園へと向かうのでした。
そこにいたのは高校の制服を着て、ヘッドフォンをした少女、佐薙ひじり。
それが、何から何までまともではない二人の”恋”の始まりでした。
映画『恋する寄生虫』原作ファンの感想!【ネタバレなし】
本作を鑑賞した感想は次の3つです!
- 映像美と音響を徹底的にこだわった演出!
- 小松奈菜の迫真の演技!
- 印象的なセリフの数々
映画の見どころが分かる感想になっています!
行ってみよ~♪
映像美と音響を徹底的にこだわった演出!
冒頭から終盤まで、映像の美しさと効果的な音響の使い方が素晴らしかったです!
二人の人柄が分かるシーンから始まり「恋す寄生虫」とタイトルが映し出されるまでは、まるでアーティストのPVを観ているのかと思うほど綺麗な映像と音楽でした。
これらは、作品全体を通して、物語をより印象的にしてくれます。
例えば、
- 高坂(林遣都)と佐薙(小松奈菜)が自分の症状やバックグラウンドを語る冒頭のシーン
- 佐薙(小松奈菜)がヘッドフォンを付けたタイミングで、BGMが止まるシーン
- ラストシーン など
音と映像による緩急の付け方が素晴らしいかったです!
高坂と佐薙の視点から見た世界を映像と音響を効果的に使うことで見事に表現しています。
人によっては、気持ち悪いと感じる映像があったり、PVのような?演出があったりするので、好き嫌いは分かれると思います。
個人的には好みの演出でした!
小松奈菜の迫真の演技!
同じく主演の林遣都さんの演技もさることながら、小松奈菜さんの演技が本当に素晴らしかったです!
心の機微やちょっとした感情の変化を表情や仕草、口調で見事に表現していました!
特に、
- 湖での高坂との掛け合い
- 手紙を読むシーン
- ラストシーン など
観ている人を魅了する演技だったよ!
印象的なセリフの数々
原作小説にはないセリフが多かった印象です。
原作で表現したいテーマはそのままに、理解しやすく、印象に残る言い回しになっていたところに、脚本家の山室有紀子さんの原作への愛が伝わってきました!
原作を読み込んだおみそは、
「このセリフは原作にはないけど、物語のテーマを表現する言葉になっているな。」
「映像であることを意識して、より短く印象的なセリフにかえているな。」
と感じました。
また、林遣都さんと小松奈菜さんの演技力も相まって、印象的なセリフが活かされていました!
恋する寄生虫の見どころの一つが、佐薙のする寄生虫の話。
※佐薙は『寄生虫なき病』という辞書のような厚さの本を持ち歩くほどの寄生虫好きです。
- トキソプラズマ(人を猫好きにさせる寄生虫)
- フタゴムシ(蝶のような見た目の終生交尾をする寄生虫)
どちらも物語のテーマや高坂(林遣都)と佐薙(小松奈菜)の関係性を象徴する存在です。
トキソプラズマの話は小説のセリフをそのまま使うと説明的で専門的な言葉が多くなってしまいます。
ですが映画では、短い言葉、かつ核心をつくセリフに再構成されていました!
フタゴムシの話も小松奈菜が直接「私たちはフタゴムシなんだよ。」と言ってる。
なので、フタゴムシが二人の関係を表していることが容易に理解できます!
(マスター)
映像美や音響、役者さんの演技とセリフに注目して鑑賞するといいんだね!
鑑賞するときはここに注目して楽しんでね!
映画『恋する寄生虫』原作小説との違いは?【ネタバレあり感想】
原作小説と比較しながら個人的な感想を紹介します。
前提として、
原作は300ページに及ぶ長編
寄生虫の真相に迫る中盤以降の難解な設定
である作品を100分に収めるのは本当に大変な作業だったのだろうと思います。
原作小説の読者としては、「この作品を映画化するのはすごい!」という感想です。
その上で、原作と比較してよかったところや気になったところを余すことなく書いていきます!
行ってみよ~♪
※ここからは映画のラストを含めたネタバレ感想になります。映画を鑑賞した方向けです。
とばしたい方はこちらをクリックしてください。
ストーリー:<虫>という要素の活かし方
原作小説と映画の一番の違いはラストの展開です!
正直に言います。
後半~ラストの展開は100%小説の方がいいです。
映画のラストの落ちは、
- 寄生虫が宿主に恋をさせている。
- 寄生虫の感染者同士が近づくと<虫>が大きくなり、強迫性障害が和らぐ。
- 佐薙と高坂の大きくなった<虫>を取り除く。
- キスをしていたので、<虫>が生殖し、卵を産んでいた。
- だから、二人の恋心は消えず、偽物の恋でも構わないから、愛し合う。
和泉(井浦新)の「人と<虫>は共存できる」という発言から考えても、「二人はこれからも<虫>と共存して生きていく」という"ハッピーエンド"と考えていいと思います。
原作小説とラストを変えたのは、
- 100分に収めるため
- ハッピーエンド感を出すため
- 映像や音楽を駆使して印象的なラストシーンを演出することを重視したため
など様々な理由があると思います。
原作は恋愛×ミステリー×SFという印象でしたが、映画は”恋”の要素を強調していました。
ただ、ラブストーリーに重きを置くのであれば、
二人の頭の中の<虫>を取り除いた。
でも、二人は<虫>なしでも愛し合うことができた。
このくらい振り切った展開にしてもよかったのではないでしょうか。
単純に"まともではない二人の恋の話"と捉えるのであれば、あのラストでよかったのかな...
先ほども言いましたが、個人的には原作小説のラストの方が好きです。
後半の展開は原作に比べるといまひとつでした。
ただ、映画のラストには"映像と音楽の美しさ"という魅力がありました!
ですので、映像作品として楽しむのであれば映画。
ミステリー的なストーリー展開を楽しむのであれば小説。
と考えるといいですね。
映画の後半の展開が納得できなかったという方は、原作小説または漫画を読むことをおすすめします。
小説の後半の展開は<虫>(寄生虫)の設定を最大限に活かしています。
【おまけ:細かいところですが、気になった方のために…】
原作とのストーリー変更の弊害としていくつか違和感がありました。
- なぜ高坂がマルウェアを作り続けるのか?
- 二人の恋という小さな世界を描写した作品なのに、社会不適合者の7割の原因が<虫>という設定を追加してしまったのか。
原作では違う設定なので、違和感は解消されます。
セリフ:映画オリジナルの台詞・名言
映画オリジナルのセリフがよかったです。
映画であるため、小説のような情報量にはできない。
でも、小説の持つ世界観を引き出したい。
そんな意図を感じるセリフ回しでした!
例えば、トキソプラズマの話。
「人間嫌いではなくなり、猫好きでもなくなった彼は、本当に幸せなのでしょうか。」
佐薙(小松奈菜)のこの一言で、物語の一つのテーマである「幸せとは何か?」を考えされられます。
また、和泉(井浦新)の最後のセリフ。個人的には名言です。
「人間と<虫>は共存できる」
これは、原作小説のテーマでもある「自分の弱さとの共存」を表している言葉。
原作小説を読んだおみそにとっては印象的なセリフ。
『恋する寄生虫』のテーマについてはこちらの記事 「【完結】漫画『恋する寄生虫(3)』原作ファンのネタバレ感想・徹底考察!」 で書いています。
そして、湖での二人の掛け合い。
「偽物の何が悪いの?」
「この気持ち、これがなくなってもいいの?」
「君は私に心をくれたんだよ」
「心がなくなるなら〇んだ方がいい」
小松奈菜さんの演技のよさもありますが、佐薙の思いがよく伝わってくる名言です。
【映画感想&あらすじ】恋する寄生虫|これは恋の物語【原作との違いは?】:まとめ
今回は、映画『恋する寄生虫』のあらすじと感想をお届けしました!
小説自体動きが少ないので、どのように映像化するのか気になっていましたが、映画としてうまく表現していて、感無量でした!
ストーリーは、もう一歩というところでしたが、映像美・音響・演技を楽しめたので!
SFミステリー作品としてのテーマ性を楽しみたい人は原作小説をおすすめします。
「これは本当の感情なのか?」
「幸せとは何なのか?」
「人は自分の弱さと共存できるのか?」
そんな問いを読者に突き付けてくる、素晴らしい作品です。
途中複雑な展開もありますが、映画を観ている人は基本的なストーリーは頭に入っていると思うので読みやすいですよ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
それではまた、お会いしましょう♪
原作小説・コミカライズ情報
どうしても小説と漫画の結末が知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください。
「【完結】漫画『恋する寄生虫(3)』原作ファンのネタバレ感想・徹底考察!」
映画『恋する寄生虫』の原作小説や漫画が気になる方はこちらをチェックしてね!
おうち時間を楽しむなら見放題作品数No.1のU-NEXTがおすすめ
おうちで映画を楽しむならU-NEXTの「31日間無料トライアル」がおすすめです。
>>U-NEXT無料トライアルの新規登録から解約方法までを完全解説
おみそも利用しているお気に入りのVODサービスです