
漫画『恋する寄生虫』3巻のあらすじや読んだ人の感想知りたい!

映画化されたけど、漫画版や原作小説も気になる!
そんなお悩みを解決します!

どうも、おみそです。
年100冊読書を楽しむ、当ブログ「くもゐなす茶房」の看板猫です♪
- 『恋する寄生虫(3)』の基本情報が分かる
- 『恋する寄生虫(3)』をより楽しめる!見どころが分かる
- 原作ファンのネタバレ感想、考察が分かる
今回は、実際に私が友人におすすめした漫画『恋する寄生虫』3巻の見どころ、感想をお届けします。
先に結論を言ってしまうと、3巻の見どころは何と言ってもラストの結末ですね。
結末は読者によって捉え方が違うと思いますが、私は、ハッピーエンドだと思っています。
「これで物語が終わりを迎える。」
そう確信した読者を最後まで(いい意味で)裏切ってくるラスト!
最後の最後まで見逃せません!
この記事は、『恋する寄生虫』のネタバレがあります。
基本情報、見どころについては重要なところのネタバレを避けていますが、未読の方はご注意ください。
恋愛×ミステリー×SFの傑作!ついに完結です!
それでは、一緒に本の世界へ潜りましょう。
『恋する寄生虫(3)』の概要
漫画『恋する寄生虫』の概要です。
- 題名:『恋する寄生虫(3)』
- 原作:三秋縋(みあきすがる)
- 漫画:ホタテユウキ
- キャラクター原案:しおん・ホタテユウキ
- 連載雑誌:月刊少年エース
- 出版社 : KADOKAWA
- 発売日 : 2020年1月24日
- 巻数 : 全3巻 【完結済み】
ここから先は2巻のあらすじになります。2巻までのネタバレになりますので、ご注意ください。
以下、簡単なあらすじです。

<虫>がいなければ、私たちは出会うことさえなかったのだ。
虫を駆除するために引き離された高坂と佐薙(さなぎ)。
高坂は治療が順調に進み社会に適応していった…かのように見えた。ある日の深夜、非常識な時間に突然インターフォンが鳴り響いた。高坂が飛び起きてドアを開けると、そこにはやはり和泉が立っていて、衝撃的な事実を告げられる。
<恋する寄生虫>によってもたらされた、「操り人形の恋」の結末は――――。
『恋する寄生虫(3)』 裏表紙より引用
漫画をより楽しめる!ここが見どころ!
『恋する寄生虫(3)』がもっと楽しめる!見どころを紹介します。
- 高坂と佐薙(さなぎ)が選んだ結末とは…?
- 10話、11話のコミックオリジナルストーリー!
一つずつみていきましょう!
高坂と佐薙(さなぎ)が選んだ結末とは…?
「ねぇ高坂さん、私、初めて出会ったときからこうなることがわかってたんだよ」 ——佐薙(さなぎ)ひじり

コンテナでの一件から4か月が経ち、高坂の生活は大きく変わっていました。
投薬治療が功を奏し、潔癖症が治り、再就職を果たします。
さらに、人間嫌いをも克服。
職場の女性と二人でデートに行くまでの回復ぶりでした。
頭の中の<虫>は消滅し、順風満帆に生活していた高坂。
しかし、未だに、佐薙のことを忘れられずにいました。
高坂がデートから帰った日の深夜
和泉が再び高坂の前に現れます。
「あんたの<虫>はまだ消えちゃいない」
そう言った和泉の口から、<虫>についての本当の”真実”が明かされていきます。
”真実”を知った二人はどのような結末を迎えるのでしょうか。
二人のラストに目が離せません!
10話、11話のコミックオリジナルストーリーに注目!
「”そうなれなかった何か”ですよ」——鷹雄(たかお)

コミックス3巻の見どころの一つが、小説にはないオリジナルストーリーです。
第10話で登場するのが、佐薙と同じ学校に通う鷹雄(たかお)という女子高生です。
小説には描かれなかった治療を受ける佐薙の様子を垣間見ることができます。
果たして佐薙は高坂のように順調に回復しているのでしょうか。
そして、漫画オリジナルキャラクターである鷹雄とはどのような関係性なのでしょうか。
また、第11話では、和泉と1巻に登場したコンビニ店員さんとのエピソードが収録されています。
10話、11話ともに、小説では描き切れなかった部分をうまく補完されています。
『恋する寄生虫(3)』のネタバレ感想・徹底考察!
ここからは、原作ファンのネタバレ感想と考察になります。
内容はこんな感じです。
- 結末をどう捉えるか?
- 物語のテーマは?
- 物語を象徴する存在~フタゴムシ、白鳥~
※ここからは結末を含めたネタバレ感想・考察になりますので、ぜひ漫画を読んでからご覧ください。
結末とどう捉えるか?:ハッピーエンド?
「私…高坂さんが好き 本当に好きなの」———佐薙ひじり
まず、結末までの流れを簡単におさらいします。

高坂が和泉から聞かされたのは、このような"真実"でした。
- 高坂の中にいる<虫>は薬剤耐性をもっていて、治療をしても生き残っていた。
- 佐薙をはじめ他の感染者の<虫>は、駆虫薬を使用することで死に絶えた。
- 虫の消滅と同じくして宿主たちも死を選んだ。
- それは、<虫>はもとから希死念慮がある人に寄生し、宿主たちの負の感情を食べて生きていたから。
- <虫>=害虫ではなく、<虫>=益虫だった。
- 感染者たちの死は「寄生虫の存在」が原因ではなく、「寄生虫の不在」が原因だった。
佐薙の中にいた<虫>は消滅。
佐薙は自〇を図ったが、未遂に終わり、一命を取り留めていたした。
そして、高坂が自宅に戻るとそこには佐薙の姿がありました。
佐薙の<虫>はとうに死滅しているのに、どうしてここにいるのか?
高坂は佐薙に問います。
- 佐薙の中にいた<虫>は全て死んだ。
- が、コンテナの中でキスをしたおかげで、高坂の<虫>が佐薙の中に移動し、薬剤耐性のある<虫>が産まれていた。
- そのおかげで、ぎりぎりのところで踏みとどまれた。
佐薙はそう答えました。
しかし、
実際には薬剤耐性のある寄生虫が産まれたのは高坂だけでした。
やはり、佐薙の中にいた<虫>は全滅していたのです。
それでも佐薙が生きてこられたのは「最後に高坂に会いたい」「幸福の絶頂で死を迎えたい」という思いからでした。
佐薙の中に<虫>がいないということ。
それは、二人が<虫>の存在抜きで愛し合うことができたことの証明でもありました。
*******
「寄生虫が人間に恋をさせる」というオリジナリティのある発想、そして、寄生虫の設定を最後の最後まで活かしているところが圧巻ですね!
ここから、結末についての私の考えです。
二人が寿命を全うするまで寄り添って生きていくというラストであれば、誰もがハッピーエンドといえる結末と言えそうですよね。
しかし、実際は「<虫>が全滅したことで、二人の恋が本物であったことが証明され、佐薙は幸福の中で死を選ぶ」という最後でした。
読み終わった直後は何とも言えない喪失感に襲われました。
だた少し時間を置いて考えてみると、ハッピーエンドと捉えてもよいのではないかと思うようになりました。
というのは、誰に操られたわけでもなく、佐薙本人が自分の意志でそれを選んだからです。
もちろん、現実には自ら死を選ぶことを肯定しませんが、二人の物語としてみれば、これはこれでよかったのではないかと思います。
残された高坂を思うと不憫で仕方ないですが。
*****
ここまで言っておきながら難ですが、ハッピーエンドとバッドエンドどちらかを選ばなければいけないわけではないので、結末をどう捉えるかは読者に委ねられています。
個人的な解釈はありますが、AかBか決められない結末が個人的には好きです。
余韻を楽しむことができますからね。
高坂と佐薙が迎えたラストをみなさんはどのように考えますか?
物語のテーマは?:自立と共存の物語
『恋する寄生虫』最大テーマは「自立と共存」ではないかと考えています。
その選択は自分の意志によるものなのか?
つまり、「自由意志とは?」という問いも一つのテーマになっています。
しかし、最後の結末を踏まえるとまた違ったテーマが浮か上がってきます。
3巻の巻末コメントで原作者の三秋縋さんはこのように話しています。
「それが何かのせいであればいい」。弱い人間は自身の弱点について、いつもそのように考えています。それが単なる劣等ではなくて、少なくなくとも観念的には自分から切り離せる、他と区別できるように名づけられた<何か>であってほしい。
(中略)
僕が思春期の頃に切り離そうとしていた<何か>は、ちょうど本作の<虫>のような性質を持っていました。ずいぶん後になって、それこそが僕を生かしてくれていたのだと悟りました。
『恋する寄生虫(3)』巻末コメントより引用
これを読んでこの物語の落としどころは、その<何か>と自分との距離感なのではないかと考えるようになりました。
自分の弱さこそが自分を生かしている。
弱い自分を受け入れて、それでも生きていく。
<弱さ>と共存して生きていく。
それこそが、自立するということなのではないでしょうか。
それはまるでこれからの<虫>と高坂との関係性のように思えてならないのです。
物語を象徴する存在~フタゴムシ、白鳥~

物語を象徴する寄生虫、フタゴムシ。
寄生虫に引き寄せられて恋をした二人の象徴でもあり、宿主と<虫>との関係を表しているようにも思えます。
寄生虫の不在が宿主に死をもたらす。
つまり、感染者は<虫>なしでは生きていけないということです。
それは、まるで無理に引きはがすと死んでしまうフタゴムシのようですね。

孤独な二人の恋の物語は、雪とともに始まり雪とともに終わります。
雪と同様に、白鳥も『恋する寄生虫』を象徴する存在です。
白鳥は晩秋から初冬にかけて日本にやってきて、春になると去っていく渡り鳥です。
高坂と佐薙、二人の恋の始まりと終わりを告げる使者のように、物語の冒頭とラストに現れます。
白鳥が泳ぎ、雪と桜が舞うシーンは、二人の恋の儚さを物語っているようでとても印象的でした。
まとめ
今回は、『恋する寄生虫(3)』の見どころやネタバレ感想、考察をお届けしました!
『恋する寄生虫』の世界観を漫画で味わいたいという人は、本書を手に取ることをおすすめします。
下のリンクから購入できます。
『恋する寄生虫』は小松奈菜さんと林遣都さん主演で映画化されたことで注目されている作品ですね。
映画のあらすじや感想が気になる方はこちらの記事「【映画感想&あらすじ】恋する寄生虫|これは恋の物語【原作との違いは?】」をご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が少しでもあなたのお役立てていれば幸いです。

それでは、またお会いしましょう♪